能島村上氏
のしま むらかみ し
芸予諸島の中心、伯方島と大島の間の船折瀬戸に浮かぶ小島である能島を本拠とした海賊衆。戦国期、瀬戸内海最大の海上勢力として瀬戸内海に君臨した。
村上諸氏の中で史料上の初見が最も早く、貞和五年(1349)、幕府の役人が伊予弓削島荘を訪れた際の荘園側の支出として「野島酒肴料」三貫文がみえる。
戦国期、出雲尼子氏と周防大内氏とのパワーバランスの中で内訌が勃発するが、これを制した村上武吉の代に最盛期を迎える。天文二十四年(1555)の厳島合戦後、強力な水軍を必要とする毛利氏との協力関係のもとで瀬戸内海全域に勢力を拡大させるが、一方で豊後大友氏と結んで毛利氏と敵対するなど、あくまでも独立勢力としての立場をとっている。
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当主
- 村上雅房 :隆勝の父。伯方島の木浦の禅興寺に墓塔が建立されている。
- 村上隆勝:雅房の子。能島村上氏の基盤を固めた。
- 村上義雅:隆勝の長子。隆勝より家督を継ぐが早世する。
- 村上義益:義雅の子。武吉と家督をめぐり争う。
- 村上武吉:隆勝の次男・義忠の子。能島村上氏の最盛期を築く。
- 村上元吉:武吉の子。
- 村上元武:元吉の子。
一門
- 村上義忠:隆勝の次男。
- 村上隆重:隆勝の三男。甥の武吉を後見。後に笠岡に移る。
- 村上景広:隆重の子。
- 東吉勝:能島東丸に居を構えた能島村上一族。
- 東吉重:吉勝の子。
- 東吉種:村上隆重の庶子。吉重の養子となり東氏を継いだ。
- 村上景親:武吉の子。元吉の弟。
- 村上甲斐守
- 村上丹後守
- 村上筑後守
- 村上内記
- 村上四兵衛
- 村上与兵衛尉
- 村上藤十郎
- 村上藤兵衛尉
家臣団
- 今岡通詮:三宅国秀事件の関係者の一人。琉球貿易に関係していたか。
- 今岡三郎兵衛:今岡通詮の使者として薩摩島津氏に派遣される。
- 今岡伯耆守:村上武吉を後見した有力者。
- 島吉利:村上武吉の重臣。
- 島吉信
- 櫛橋勘右衛門
- 櫛橋備後守:毛利氏との折衝を担当した。
- 戸崎吉弘:秋穂の支配に関わった。
- 久枝修理進
- 俊成左京進
- 北川大炊助
- 田窪三郎右衛門尉
- 田窪市右衛門
- 矢野左近允
居館・城郭
- 能島城:能島村上氏の本城。芸予諸島の大島と伯方島の間の小島を城郭化した海城。
- コウガ屋敷:能島の対岸である大島宮窪にある居館跡。
- 中途城:来島海峡の小島の一つを城郭化した海城。
- 小海城:大三島東岸の小島を城郭化した海城。重臣・島氏の拠城。
- 笠岡城:笠岡に移った村上隆重が同地に築城。
- 笠島城:塩飽島北岸の城。
- 本太城:備前児島西端の城。