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堀之内
ほりのうち
越後国中部、信濃川支流の魚野川と破間川の合流点付近に位置した市場町。陸上交通と河川水運の要衝をしめるとともに、魚沼郡で生産され、全国に流通した青苧や越後布の流通拠点としても栄えた町。 近世の『北越雪譜』には、縮（越後布）の市として堀之内、十日町、小千谷、塩沢が挙げられており、魚沼郡で生産された青苧や越後布が堀之内などで売買されていたことが分かる。
魚沼郡の市塲
文禄五年（１５９６）十月、堀之内の宮源左衛門に宛てた上杉氏奉行人・ 丸田 俊次の黒印状では、「うら沢」（魚沼郡大和町浦佐）から小千谷間における「舟役」や「あかりわた（上がり綿）」、「あかりからむし（上がり芋）」、「市役」などへの課税徴収のことが記されている。「舟役」は河川水運を担う川舟に課せられる税、「市役」は市場税とみられる。
近世の状況から推定すれば、戦国期にも堀之内には市場があり、京都方面へ出荷される絹綿や青苧などの産品が集められ売買されていたと思われる。
河川水運の要所
天正六年（１５７８）六月、宮氏は上杉景勝から船一艘の過書を与えられており、宮氏自身が流通に関わってたことが分かる。また泉沢久秀書状では、上記の「舟役」をめぐって江口、堀之内の百姓が、六日町から堀之内まで、堀之内から小千谷まで、小千谷から蔵王堂までという舟つぎの従来の範囲を主張しており、堀之内が河川水運の重要な中継港、流通拠点であるとともに、住民もまた水運に携わっていたことが分かる。