宗貞

むねさだ

　室町後期、笠岡を拠点に活動したとみられる刀工。

「備中国笠岡住宗貞作」

　東京国立博物館所蔵の刀剣の中に「備中国笠岡住宗貞作　文明十三年八月日」と刻銘された脇差一口があり、文明十三年（１４８１）に笠岡の刀工・宗貞によって作られたものであることが分かる。

備後鞆から笠岡に移る

　 刀工系譜によれば、宗貞は備後の鞆の刀工・貞次の子とされ、宗貞の項には「備州鞆住宗貞作　寛正六年」とある。このことから、宗貞は寛正六年（１４６５）時点では鞆に居住し、その後、当時の笠岡城主・陶山宗兼の招きに応じて笠岡に移ったものと推定される。

　陶山宗兼は文明十三年八月朔日に太刀一腰を将軍家へ献上しており、このときの太刀も宗貞によって作られたものである可能性が高いとみられている。

関連人物

  • 貞次：宗貞の子。

その他の関連項目

参考文献

  • 笠岡市史編纂委員会・編　『笠岡市史　第1巻』　１９８３