小問 甚五郎

ことい じんごろう

 戦国期、石見国の要港・温泉津に屋敷を構え、問丸を営んでいたとみられる商人。16世紀後期、温泉津を支配下に置いた毛利元就の直臣・井上就重が温泉津奉行の任にあったとみられる武安就安らに宛てた書状にその名がみえる。

  この時期、温泉津では子問甚五郎の屋敷をめぐる何らかの紛争があったようで、その解決のため、温泉津の町支配や温泉津を拠点とした物資輸送を担当していた児玉就久、武安就安の両名がよく相談してあたるように指示が出されている。小問甚五郎は、その名から、問丸を営む商人であったとみられ、温泉津に屋敷を構えて物資輸送、商業活動にあたっていたと思われる。

関連人物

  • 武安就安

その他の関連項目

参考文献

  • 岸田裕之 「大名領国下における杵築相物親方坪内氏の性格と動向」(『大名領国の経済構造』) 岩波書店 2001