毛利家本「史記呂后本紀」
しきりょこうほんぎ
安芸毛利氏に伝わる『史記』の『呂后紀』の写本。
『史記』は前漢の歴史家・司馬遷が編纂した中国最初の正史であり、『呂后紀』は漢の高祖(劉邦)の皇后である呂后が、高祖の死後、権力を欲しい侭にした状況などを記述したもの。毛利家本には朱の乎古止点(おことてん)、朱墨訓、反切などが施してあり、注の加筆や朱の校合なども加えられ、上覧には旧注などを抄録している。
奥書によれば、延久五年(1073)に大江家国が書写、点合、受訓をし、後に大江家行が伝領して、康和三年(1091)に更に秘本により照合、その後、建久七年(1196)、大江時通が読了したものであるという。
大江氏は平安期、多くの学者、文化人を輩出した学問の家であり、その末流を自認する毛利氏にとっては、大江氏の遺品として、また自らも家名に恥じぬ学問を修めるための参考書として重要な書物であったと思われる。
関連人物
- 毛利元就
- 毛利隆元
その他の関連項目
参考文献
- 『毛利元就展ーその時代の至宝ー共通図録』 1997