太刀「孫四郎こんかう兵衛」

まごしろうこうごうひょうえ

 筑後国鷹尾を本拠とする国人領主・田尻氏が所有していた太刀。

  16世紀後半に書かれたとみられる「田尻鑑種刀日記」によると、この太刀は元来、筑後国柳川の国人領主・蒲池氏の重代の太刀であり、それを田尻氏が銀子一貫目という高値で購入したものという。田尻氏と蒲池氏は所領を接し、婚姻関係も結ぶ極めて近しい間柄であり、この両者の友好関係もあって重代の太刀の取引が成立したものと思われる。国人領主間で名刀の売買が行われていたことを示すという点でも興味深い太刀である。

 

関連人物

  • 田尻鑑種

その他の関連項目

参考文献

  • 鈴木敦子「筑後・肥後の国人領主間における友好と交流」(『日本中世社会の流通構造』) 校倉書房 2000」